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生成AIでできること⑤提案資料編|人は筋を、AIは形を

#AI活用#事例

会社説明会のスライドを見せていただくと、デザインは整っているのに、読み終えても「この会社がどんな人を求めているのか」が伝わってこない、ということがあります。中身が薄いわけではありません。たいていは、体裁を整える作業で力尽きてしまい、何を誰に伝えるのかを詰める時間が残っていないのです。

営業の提案書でも、人事の資料でも、事情は同じです。「生成AIでできること」シリーズの最終回は、提案資料をはじめとする「相手に伝えるための資料」を取り上げます。ここはほかの回と違い、AIに丸ごと任せるのではなく、人とAIで役割を分けることが肝心な領域です。

人事が作る「伝える資料」は意外に多い

人事の仕事には、相手を動かすための資料づくりがたくさんあります。

  • 候補者に向けた会社説明会のスライドや採用ピッチ資料
  • 求人票
  • 評価制度や働き方の制度を変えるときの、社員向けの説明資料
  • 経営に人事施策を提案するための資料

どれも、相手に理解してもらい、行動してもらうことが目的です。にもかかわらず、作る時間の大半はレイアウトやグラフの体裁に費やされがちです。

考える時間より、作る時間が長いという問題

資料づくりは、相手の状況をつかむ、伝える筋を立てる、構成に落とす、スライドに仕上げる、という4つの段階に分けられます。価値を生むのは前半の2つですが、実際には時間の7〜8割が後半の2つに消えていきます。仕上げの作業が夜にずれこみ、肝心の筋が詰め切れないまま当日を迎える。採用の資料なら、それがそのまま候補者に響かない説明会になって表れます。

分業の設計:人は筋を、AIは形を

私たちが実践している分け方はシンプルです。人は「相手を理解し、何を伝えるかの筋を決める」ことに集中し、AIには構成案や下書き、デザインを任せます。

頼み方の要点は、相手の状況のメモを渡し、話の流れを指定し、トーンや枚数を決め、使ってよい数字を渡した資料の中だけに限ることです。こうすると、20分ほどでたたき台が出てきます。人の仕事は、白紙から作ることから、出てきたたたき台の筋を磨くことに変わります。順番を入れ替え、その相手ならではの事情を書き足し、言葉を研ぐ。私たちのグループで、2時間かかっていた資料づくりが20分になったのは、この分業の結果です。

採用・人事の資料で、人に残す3つの仕事

分業を採用や人事の資料に当てはめるとき、特に人が手放してはいけない仕事が3つあります。

1. 「どんな人に、何を、なぜ」を決める

筋までAIに任せると、どこかで見たような一般論の資料になります。採用でいえば、自社が本当に求める人物像と、その人に伝えたいことを決めるのは人の役割です。ここは採用要件の設計そのものであり、AIが代わりに決めることはできません。

2. 自社の「当たり前」を掘り起こして言葉にする

自社の魅力は、社内では当たり前になっていて、言葉になっていないことがほとんどです。AIはそれを知らないので、放っておくと「風通しの良い社風」「成長できる環境」といった、どの会社にも当てはまる表現を返してきます。現場で見た事実や、社員が語ったひと言を拾い、自社だけの言葉に置き換える作業は、人にしかできません。

3. 数字は実データだけにする

採用資料でもっとも気をつけたいのが数字です。平均残業時間、離職率、有給取得率などは、実際のデータ以外を載せてはいけません。AIが「一般的にはこのくらい」という数字で空欄を埋めてしまうと、入社後に必ず食い違いが見つかります。それは、早期離職の原因を自社でつくることと同じです。使ってよい数字を指定し、最後に人が元データと照らし合わせる手順を必ず残してください。

制度説明の資料にも同じ考え方が使える

評価制度や働き方の制度を改める際の社員向けの説明資料にも、この分業はそのまま当てはまります。制度の目的と、社員一人ひとりにとって何が変わるのかという筋は人事が決める。資料の形はAIに任せる。浮いた時間で、現場の管理職と事前に話し合い、質問を想定しておくほうが、制度の定着にははるかに効きます。

シリーズを振り返って

このシリーズでは、データ分析、リサーチ、転記作業、報告資料、そして今回の提案資料を取り上げてきました。5つに共通するのは、AIが作業を引き受け、人は判断と文脈に集中するという役割分担です。どれも特別な会社の取り組みではなく、どこの会社にもある日々の業務です。

人事の目線でまとめると、AIの活用とは、社員一人ひとりの仕事の中身を「作業」から「判断」へと移していくことです。その変化に合わせて、役割定義や評価、採用要件を見直していくことが、組織づくりの次の課題になります。

おわりに

伝える資料の価値は、きれいなスライドではなく、筋の通ったメッセージにあります。形はAIに任せ、人は「誰に、何を、なぜ」を考え抜く。採用資料であれば、それがそのまま、ミスマッチの少ない採用と定着につながります。

OhEN Funwork Studiosは、採用支援と人事・組織づくりを仕事にしている会社です。「説明会や求人票で自社の魅力がうまく伝わらない」「制度改定を社員にどう説明すればよいか悩んでいる」といった段階からご相談をお受けしています。お気軽にお声がけください。

AIの活用を社内でどう進めるかは、AI活用支援でもご紹介しています。ご相談はお問い合わせフォームから、お気軽にどうぞ。

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この記事の要点

  • 説明会スライド・求人票・制度説明資料など、人事が作る「伝える資料」も、時間の大半が体裁づくりに消えている
  • 人は相手の理解と伝える筋に集中し、構成案・下書き・デザインはAIに任せる。たたき台は20分ほどで出てくる
  • 採用・人事の資料で人に残す仕事は、人物像と伝える筋を決める、自社の当たり前を言葉にする、数字を実データに限る、の3つ
  • 推測の数字が混ざった採用資料は、入社後の食い違いと早期離職を自らつくる。最後は人が元データと照合する

OhEN Funwork Studiosでは、採用・人事の現場に根ざしたAI活用支援・AI研修を提供しています。

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