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生成AIでできること⑤提案資料編|人は筋を、AIは形を

#AI活用#事例

提案の中身は固まっているのに、資料づくりで前日の夜が消える。構成に悩み、パワーポイントのレイアウトと格闘し、グラフの色を整える——営業をしたことがある人なら、誰もが心当たりのある時間ではないでしょうか。人事の方なら、会社説明会のスライドや、新しい評価制度を社員に説明する資料で、同じ経験があるはずです。

「生成AIでできること」シリーズ最終回は、提案資料の作成です。ここは他の回と少し違い、「AIに全部任せる」ではなく「AIと分業する」が正解の領域です。

ビフォー: 考える時間より、作る時間が長い

資料づくりを分解すると、①相手の状況を理解する ②伝える筋を立てる ③構成に落とす ④スライドを作り込む、の4段階です。本来いちばん価値があるのは①②なのに、実際の時間の7〜8割は③④に消えます。しかも③④は深夜作業になりがちで、肝心の①②が浅いまま当日を迎える——という本末転倒が起こります。

採用の資料では、これが直接的に効いてきます。候補者に刺さらない会社説明会資料の多くは、内容が薄いのではなく、体裁を整えるところで力尽きている。 「どんな人に、何を、なぜ伝えたいのか」を詰める時間が最初から確保されていないのです。

分業の設計: 人は筋を、AIは形を

私たちの分業はシンプルです。人間は「相手の理解と伝える筋」に集中し、AIには「構成案・下書き・デザイン」を任せます。指示文の例です。

〇〇社への提案資料のたたき台を作ってください。
・先方の課題: (ヒアリングメモを渡す)
・提案の筋: 現状分析→問題の構造→解決策2案→推奨案と体制→費用
・トーンは誠実で簡潔に。1ページ1メッセージで15枚以内
・数字はこの資料(添付)のものだけを使い、推測の数字は入れない

たたき台が20分で出てくると、人間の仕事は「ゼロから作る」から「筋を磨く」に変わります。構成を入れ替え、相手固有の文脈を足し、言葉を尖らせる。2時間かかっていた資料作成が20分になるというのは、この分業の結果です。

同じやり方が、求人票、採用ピッチ資料、社内向けの制度説明資料にもそのまま使えます。

つまずきポイントと対処法

  • 丸投げすると平凡になる: 筋まで任せると、どこかで見たような一般論の資料が出てきます。筋(なぜこの相手に、なぜこの提案か)は人間の仕事として渡さないこと
  • 相手固有の文脈は人が足す: 先方の社長の言葉、現場で見た事実。刺さる提案の核は、AIが知り得ない一次情報にあります
  • 数字の出どころを縛る: 「渡した資料の数字だけを使う」と指示し、もっともらしい推測数字が紛れ込むのを防ぎます

採用資料では、3つ目がとくに重要です。平均残業時間も、離職率も、有給取得率も、実データ以外を書いてはいけません。 AIが「一般的にはこのくらい」の数字を埋めてしまうと、入社後に必ず食い違いが発覚します。早期離職の原因を自分でつくることになります。

そして2つ目。自社の魅力は、たいてい社内では当たり前になっていて言語化されていません。AIはそれを知らないので、放っておけば「風通しの良い社風」「成長できる環境」といった、どこの会社にも当てはまる言葉を返してきます。当たり前を掘り起こして言葉にするところだけは、人の仕事として残ります。

シリーズのまとめ——5つの業務に共通すること

5回にわたって、データ分析リサーチ転記作業報告資料・提案資料を見てきました。共通するのは、AIが「作業」を引き受け、人間が「判断と文脈」に集中するという構図です。そしてどの業務も、特別な会社の特別な取り組みではなく、どの会社にもある日常業務です。

自社ならどこから始めるべきか。かんたんAI導入診断(6つの質問・約1分)で現在地を確かめてみてください。

なお、提案資料については実はもう一歩先の変化が始まっています。「そもそもスライドで提案する時代が終わりつつある」という話——次回の記事で書きます。


この記事の要点

  • 提案資料は「AIに全部任せる」ではなく分業が正解。人=相手の理解と伝える筋、AI=構成案・下書き・デザイン
  • たたき台が20分で出ると、人間の仕事は「ゼロから作る」から「筋を磨く」に変わる。求人票・採用ピッチ・制度説明資料にも同じ手が使える
  • つまずき対策: 筋は渡さない / 相手固有の一次情報は人が足す / 使ってよい数字を縛る
  • 採用資料では数字の縛りが必須。残業時間や離職率に推測値が混ざると、入社後の食い違いになり早期離職を自分でつくる
  • 自社の魅力は社内で当たり前になっていて言語化されていない。当たり前を掘り起こす作業だけは人に残る
  • シリーズ共通の構図: AIが作業を、人間が判断と文脈を。すべてどの会社にもある日常業務

OhEN Funwork Studiosでは、採用・人事の現場に根ざしたAI活用支援・AI研修を提供しています。

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